こんにちはライターのニカイドウです
先日図書館で
天文学者・津村耕司さんの
「大人になっても知りたい 天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし」という本を借りました
わたしは普段そんなに天文関係の本を読まないのですが、
おすすめの本コーナーに紹介されていて中をチラ見した時にとても読みやすいと感じ借りました
なんとなく聞いたことがあるけれど、あらためて聞かれるとわからないような内容
例えば
・昔の人はどうして地球が丸いと知ったのか
・季節によって見える星座が違う理由
・どうしてガリレオ・ガリレイは地動説を確信したのか
・タイムマシンは実現できるのか
・宇宙人がいる可能性はあるのか
などをわかりやすくていねいに解説
また、
・マゼラン星雲 (宇宙戦艦ヤマト)
・エントロピー (魔法少女まどか☆マギカ)
・タイムトラベル (ループ物の作品で度々あの言葉!)
など「この単語アニメで聞いたことあるな~」という用語も
ちょこちょこ出てきて解説があります(笑)
天文や宇宙について学生のころ授業で勉強した程度の
わたしでもとても理解しやすい内容でした
今回は、この著書「天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし」について紹介していきます
1・コンセプトは「小学生でも思いつく宇宙の疑問をわかりやすく解説」
「小学生でも思いつく宇宙の疑問を天文学者の津村耕司さんがわかりやすく解説していく」というのがこの本のコンセプトです
わたしのように天文・宇宙に詳しくない人でも楽しんで、より宇宙科学を身近に感じて欲しいということで作られたそうです
作者の津村耕司さんは以前にも本を出版されています
似たテーマの書籍との差別化のためにこの本では、宇宙人やタイムマシンなど
他の宇宙科学の本ではあまり取り扱っていない内容も取り入れたとのこと
さまざまな宇宙の疑問について解説していく中で、有名な学者(ガリレオやアインシュタインなど)や理論(相対性理論や惑星の定義など)一見ちょっと難しそうな内容も出てきます
しかし、津村耕司さんは読者目線で宇宙の様子を身近なもので例え解説していきます
一例で「地球の中身はどうなっているのか? どうして中に内核・外核・マントル・地殻があるとわかるのか?」
という疑問について
「お店でスイカを選ぶ時に軽く叩いて中身を確かめ選ぶ時のように、
スイカの密度により音の伝わり方が違い聞き分けて、切らなくても中身を推測できるのと似た方法で調べる。地球の場合は地震を用いて内部を探っている」と解説
このたとえを読んだとき「わかりやすい例えだな」とつくづく思いました
また、宇宙を身近に感じられる素敵なたとえも文章の中で随所にちりばめられています
その中の一つで
“太陽系の外にある惑星(系外惑星)を発見したことで、これまでの太陽系の常識が大きく覆され、これまで太陽系の成り立ちで説明できなかったいくつかの事柄も説明できるようになった”
という紹介の一文で
「太陽系以外の惑星系という「他人」を知ることで、太陽系という「自身」の理解にもつながる」と言い回しています
果てしなく遠く広い宇宙も人のように例えると身近な存在に感じられますね
2・十二星座の疑問がわかった!
さて、読みすすめていく中で
「何千年も昔の人も今の人も同じ星空を見て、宇宙や星に思いを馳せたなんてなんかロマンチック~!」
と思っていたわたしですが、
実は昔と今ではけっこう夜空の様子が違うということが発覚(笑)
なぜ誕生日に自分の星座が見えないのかという紹介があります
言われてみれば……わたしはさそり座(秋生まれ)なのですが、さそり座が見えるのは夏のころです
誕生日の日に自分の星座が見えないのは、誕生日の日に太陽が見える方向に星座を誕生日星座にしているから
そのため自分の星座が見えるのは誕生日から半年後くらいになるためだそうです
また、誕生日星座がつくられたのがおよそ2500年前
歳差という地球の自転の運動により少しずつずれてしまい
かつて春分の日(3/20頃)の太陽の位置はおひつじ座だったが、現在はうお座になっているとのこと
(おうし座が3/21~4/20・うお座が2/20~3/20)
永遠に変わらないように感じる宇宙も少しずつ変化していました
3・アニメ・マンガで出てきた話①~セーラームーン~
惑星の話でわたしが一番最初に思いつく作品が美少女戦士セーラームーンです
90年代の人気アニメで「月にかわっておしおきよ!」の決め台詞も有名な作品です
セーラームーンをよく知らない方へ簡単に説明すると
セーラームーンは月、水星はセーラーマーキュリー、火星はセーラーマーズ、木星はセーラージュピター、金星はセーラービーナスと
それぞれの惑星の守護をもつ戦士が出てくる話です
そして戦士の一人に冥王星のセーラープルートというキャラクターがいます
冥王星は2006年8月に惑星から準惑星へと定義が変更となりました
当時このニュースを聞いたときわたしはこう思いました
「セーラープルートだけ仲間はずれになってしまう!」と……(笑)
プルートって「時の扉を守る孤独な番人」なんて紹介されることもあるキャラクターで
現実の天文の世界でもこんな扱いではますますぼっちキャラに……と思ったりしてました
本文の中では準惑星になった冥王星のその後についても紹介があります
惑星時代は「小さい他の惑星とちょっと違った変わった惑星」というような扱いだった冥王星は
準惑星になってから天文学の研究が進み、冥王星のような天体が数多く見つかり
そのような天体は新しく「冥王星型天体」と分類されるようになりました
「惑星の中で仲間外れだった冥王星は、新たにできた冥王星天体という分類の代表選手になったということです」とのこと
つまりセーラープルートは、自分と似た仲間(準惑星)をたくさん見つけそこのリーダーになっているようでした
一安心です(笑)
4・アニメ・マンガで出てきた話②~宇宙戦艦ヤマト~
冒頭にも紹介した宇宙を舞台にしたアニメ作品の一つの宇宙戦艦ヤマト
ヤマトはマゼラン星雲にあるイスカンダルを目指し宇宙を旅していきます
このマゼラン星雲も宇宙戦艦ヤマトが一番最初に方法された1970年代から、リメイク版が放送される2012年の間にさまざまな研究が進みました
マゼラン星雲は正しくは「マゼラン銀河」と呼ぶのが正しいですが歴史的な経緯からまだあまりこの呼び方が定着していないそうです
リメイクされたヤマトでは「マゼラン銀河」と呼称しています
リメイク版がテレビ放送されたときに、旧作のヤマトも見ていた母が「宇宙の研究が進んでヤマトの世界にもちゃんと反映しているのね」としみじみと話していたのを思い出しました
5・まとめ
今回は本の中で紹介された内容を一部紹介させていただきました
この他にも宇宙にまつわる話が220ページの中で凝縮されています
読み終わった日の夜、窓から月や星を眺めたくなる
冬晴れが続く今日この頃、星がよく見える日も続いているこの機会におすすめの一冊です