『日常の中で悟りをひらく10の徳目』――仏教の教えから暮らしやすい考え方を知る

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【仏教の教えから生きやすさを知る】
住職で子ども園の園長理事長である著者による、仏教の教えから日常をより生きやすくするための考え方を伝える一冊。

”この世に生を受けた私たちには、必ずなにかの役割があります。そして、生きるということは、その命を生かすということです。人生をもっと楽に、幸せに生きて、自分の命を使い切りましょう。”
(「はじめに」より)


日常の中で悟りをひらく10の徳目 (ディスカヴァー携書)

概要・仏教の教え徳目を軸に暮らしやすさを紹介していく

『日常の中で悟りをひらく10の徳目』は住職の著書による、仏教にまつわる話・言葉の解説を交えながら、よりよく生きていくための習慣について紹介していく本です。

仏教に馴染みのない読者にもわかりやすく伝えていくことを意識されており、仏教用語もわかりやすく解説しています。

例えば冒頭に仏教の基本の教えである四法印(諸行無常・諸法無我・一切行苦・涅槃寂静)について解説しています。
仏教の教えはみんなが幸せに暮らせる世界を理想としていること、
四法印の教えについても、

四法印
諸行無常(しょぎょうむじょう)・・・常に変わり続ける。
諸法無我(しょほうむが)・・・みな、つながっている。
一切行苦(いっさいぎょうく)・・・何事もプラスに受け止める。
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)・・・みんなが幸せになる。

ような意味であると簡潔に解説しています。
タイトルにも入っている『10の徳目』については章ごとのタイトルにもなっていて、それぞれ章の始めに用語解説が5~6行ほどでまとめられています。

また、各章の表題は、著者のポリシー10個でもあり、住職である著者が、
普段どのようなことを意識してより幸せに暮らしていくことを考えているかが紹介されています。

ポリシーは「布施」「自戒」など仏教の教えから取られているものですが、
ひとつひとつの内容は、「前向きに生きよう」などかみ砕いて解釈したことで
誰でも実践しやすく前向きな気持ちになれるようなお話が中心です。

小節ごとの内容は全部で90あり、誰でもすでに日常の中で行動しているようなことも1つは出てくるではないかと感じました。
逆に、まだ実践していないようなより生きやすく、肩の力を抜いて過ごせるような状態で過ごせるようにするような工夫や実践も出てくるはずです。

働き方や生活様式が大きく変わってきている現代。
変化についていくのに必死になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな現代でこそ、心に余裕を持って過ごすための心得が多数紹介されている著書です。

小さな習慣から自分がより過ごしやすくなるきっかけになる

本書「日常の中で悟りをひらく10の徳目」の中で紹介されている過ごしやすく生きやすくなるコツの特徴として、
すぐに実行できることがたくさん紹介されていること、
たくさん方法や考え方が紹介されているので「まずはどれか1つ」という感覚で取り組めそうなことが出てくるということです。

内容も
・恩返しではなく「恩送り」をする
・自分の「戒名」を考えてみる
・生きているうちに「ほとけ」になる
など人々の支えになるような仏教の教えらしい表題・内容もあれば、

・小さな達成感を積む
・自分にポジティブな言葉をかける
・毎朝、鏡に向かって自分に挨拶する
などすぐに始められるような小さなことから自分を変えていくような習慣の紹介もあります。

中には著者が実践して
実際にどのように心が軽くなったのか紹介されている実践法もあり、
「日常の中のささいな習慣から自分をより生きやすく、暮らしやすくする方法を見つけることはできる」ということがよくわかります。

また、現在は住職やこども園の理事長として活動されている著者の南泉和尚さんも、
園の運営に行き詰まり悩みながら活動していた時期もあったことなど、
自分が過ごしやすく、生きやすく思えるようになるまでに時間をかけたことが随所で語られています。

困難にぶつかり、乗り越えたときにどうしていたか・何がよかったのかを振り返りながら、
著者が日々の暮らしの中で気づいた前向きに暮らすこつを伝えようとしているのがこの一冊です。

なので、紹介されている内容もすぐにできるような取り組みやすい心得から習慣や行動がたくさん出てきます。

徳目と言われる仏教の教えも無理なく日々の暮らしの中で続けられる、
古くから人々の暮らしに寄りそってきた仏教ならではだと感じます。

長い歴史を持つ仏教の教えから、現代でも人を支える考え方を知る一冊です。

書籍情報

日常の中で悟りをひらく10の徳目 (ディスカヴァー携書)

【タイトル】日常の中で悟りをひらく10の徳目
【著者】南泉和尚 (ナンセン オショウ)
【ページ数】224ページ
【シリーズ名】ディスカヴァー携書
【出版社】株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版年】2016年8月15日
【価格】 ¥1,000 +税
ISBN : 9784799319444

【目次】
1 行  誰もやらない。だからやる
2 布施 先に与える
3 愛語 前向きでやる気になる言葉を使う
4 利行 人のため地域のため世界のためにやる
5 同事 感動し共感し感謝する
6 持戒 ポリシーに従って生きる
7 忍辱 ぺしゃんこになってもへこたれない、あきらめない
8 精進 毎日昨日よりティッシュ1枚成長する
9 禅定 自己を掘り下げ、静かな時間を持つ
10 般若 死ぬまで成長死んでも支援

【キーワード】仏教,生活,習慣